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僕と彼女の出会い。
それは、僕が予備校に通っているときだった。
ひとつ年上の彼女。
悪友の呼び出しに仕方なしに寄ったゲームセンター。
めずらしく奴は一人じゃなく女と一緒だった。
長めの髪を高い位置で結び、逆毛を立てた髪とわざとたらしている後れ毛が女らしくもあり、かわいくもある。
惜しげもなく見開かれた瞳は、黒目がデカイ!
表情も明るくて、クラスの中心だったであろう彼女は、少なくとも今まで僕の近くにはいなかったタイプだ。
そんな彼女と一緒にいる悪友がうらやましかった。
自慢じゃないが、僕はモテるタイプではなく、そんなタイプの女性に声をかけたこともない。
後から彼女に言われたのだが、
「本当に牛乳ビン底メガネかけてる人に初めて会った!」
と・・・
身なりを構わない僕に、彼女は言ってくれた。
「せっかく背が高いんやから、もっとおしゃれしいや。」
と。
そうすればモテるよ、というのは愛想だろうけれど、僕のことを考えてくれたことが嬉しかった。
まず僕は、メガネからコンタクトに変えて、ダイエーではなく、難波まで服を買いに行った。
次に会ったとき、僕を見た彼女が嬉しそうに褒めてくれるのが、僕も嬉しかった。
それから僕は、バイクの免許なんかもとりに行く。
なんとなく、男らしく見えるかな、と・・・
彼女には彼氏がいたが、時々一緒に買い物にも行ってくれた。
そのうち、僕は悪友より彼女と親しくなっていった。
彼女と出会って一年がたったころ、彼女が彼氏と別れたという。
僕にチャンスがきた、と勝手に思い込んでしまったが、告白する勇気もない僕は、
彼女が泣くのに胸を貸してあげただけで、結局何も進展することはなかった。
それなりに身なりを整えると、モテることはなくても適当に縁が出来るもので、こんな僕にも彼女が出来た。
彼女とタケルにも紹介すると、二人とも自分のことのように喜んでくれた。
そのとき、僕の彼女がそっけなかったのが申し訳なかったのだが・・・
もう僕に脈はないことは、はっきりとわかってしまった。
それから1年半。
僕は付き合っていた彼女と、流れで結婚することに。
周りの友達の誰よりも早く、僕が結婚することになるとは、誰が予想しただろう?
そして、誰よりも早く離婚を経験することになるのだが・・・
僕が結婚した翌年、彼女は愛知県に嫁いで行った。
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